この治療は、背中から細い針を刺して硬膜外くう(脊髄を包んでいる硬膜と、硬膜のさらに外側にある靭帯との間にできた5㎜位の空間)に注射液を注入し、交感神経の緊張を取り、血行(血液の循環)を良くして、痛みを軽減する治療法です。
使用する薬が局所麻酔ですから一定時間(数時間)で麻酔効果は終わりますが、鎮痛効果は2日前後継続します。それでも何日かあとには疼痛が戻ってしまうのですが、神経ブロック注射を継続(1~2週間に1回)施行することで、だんだんと痛みのピークが下がってきます。3か月ほど経過して、初めの痛みの半分に軽減すれば、とりあえず合格ラインとなります。
効果は個人差が大きく、数回の注射で痛みがゼロとなることもありますが、半年継続しても、全くかわらない事もあります。そのようなときにはブロックのみではなく、内服による鎮痛治療を試します。
なお、ブロックの前に非常に細い針を使って薬を注射し痛み止めをしますので、ほとんど痛みは感じません。
すべての神経ブロック療法でそうですが、感覚がマヒするということは、一部運動神経もマヒをするということです。ですから、ブロック後注射した部位の運動神経(首へのブロックなら腕、腰なら足)が一時的に機能しなくなります。だいたい1時間が目途ですが、人によっては2~3時間、もっとひどい患者様では3000人に一人くらいは8時間動けなく、また頭痛・めまい・吐き気を発症される人もいらっしゃいます。時間はかかっても必ず自然軽快するものであり、それらについては診察の場で詳しくご説明申し上げますが、ブロック当日は効果次第で一日診療所で過ごすこともあるため、受診後に大切な予定をお入れにならないよう、お気を付けください。
ほかの合併症としては、注射による血腫の形成です。血腫とは「血の塊」であり、出血した場所つまり注射した場所に起こると、血腫による更なる神経の圧迫を生じ、疼痛の更なる増悪や、永久的な運動神経麻痺を起す危険性がございます。ただしそれは一部の方に限られたもので、すなわち脳梗塞や心筋梗塞・心臓病の術後で抗凝固薬(商品名でワーファリンやバイアスピリンなどを内服されている患者様)でその危険性が高くなります。ですから、普段内服されているお薬がございましたら、お申し出ください。
最近は後発医薬品が多く出回っているため、薬手帳やお薬説明書などがございましたら、お見せいただけますようお願い申し上げます。
また重度の糖尿病患者さまにおかれましては、注射による感染が高い危険を呼びます。そのため糖尿病を治療されている患者様やお風邪をひかれている患者様においては、一部にブロック注射を施行できない場合がございます。ご了承ください。
主に局所麻酔(カルボカイン®・アナペイン®・ネオビタカイン®)を使用し、場合によりステロイド剤を混ぜて使用する場合もございます。
ステロイドは神経レベルでの炎症を抑えるために使用します。
一般的に言われているステロイドの副作用が引き起こされるほどの量は使用しませんが、糖尿病においては、少量でも悪化させる場合がございます。治療中の疾患については先にお申し出ください。
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診療科目:緩和ケア・ペインクリニック
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